最高裁判所第一小法廷 昭和49年(オ)126号 判決 1976年7月01日
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人新井泉太郎、上告復代理人黒木芳男の上告理由について
本件講契約が、所論のように単に講元と各講員間の個別的な契約関係に止まるものではなく、民法上の組合契約の性質を保有し、講元はその業務執行者の地位を有する組合員である旨の原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。所論は、原審の認定しない事実を前提とし、独自の見解に基づいて原判決を非難するものにすぎない。
原審の認定した右の事実関係に徴すると、本件講の業務執行者である破産者尹が破産宣告を受けたときには、その業務執行権は消滅する旨の原審の判断もまた正当である。論旨は、採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 岸上康夫 裁判官 下田武三 裁判官 岸 盛一 裁判官 団藤重光)